事例紹介

  • 事例1 『 隠れ貧困 』
    〜生活レベルが下げられなくて〜

    年齢 : 40代女性
    職業 : 会社員
    収入 : 年収約300万円(手取)
    住居 : 家賃 9万円/月
    世帯 : ひとり暮らし
    貯金 : ほぼゼロ
    Aさんは、大学卒業後、大手電気メーカーに就職。海外事業部に配属されました。この経験を活かして、将来は外資系の会社へのステップアップを考えるようになり、給料の大半を語学などの習い事に費やすようになりました。当時は、自分の将来への「投資」と考えていたそうです。
    社会に出て数年が経ち交友関係が広がると、次第に交際費も増え、毎日頑張って働いている自分への「ご褒美」と言っては、海外旅行や美容にもお金をかけるようになりました。手持ちのお金が無いときは、銀行のカードローンやクレジットカードのショッピングリボも利用するようになりましたが、この頃はまだ、 危機感を持っていませんでした。
    30歳を過ぎた頃、Aさんが希望していない部署へ配置転換となったことから、外資系の会社に転職を考え、会社を退職しました。ところが、Aさんの転職活動は思うように進まず、結果、以前の勤務先より、給料は激減してしまいました。
    しかし、お金がないことを周りの人に気づかれたくなかったAさんは、生活のレベルを下げることができず、とうとう、カード会社からの請求額が給料を超えるようになってしまいました。
    カードの限度額も一杯となり、月々の支払もままならなくなったAさんは、「何を」「どうすれば良いか」わからず、家計の把握と改善のために相談にみえられました。
  • 事例2 『 奨学金返済 』
    〜正社員から非正規に。奨学金が家計と将来を圧迫〜

    年齢 : 20代女性
    職業 : アルバイト
    収入 : 年収約160万円(手取)
    住居 : 家賃 6.5万円/月
    世帯 : ひとり暮らし
    奨学金 : 奨学金200万円
    (12,000円/月を返済)
    Bさんの初めての借入れは、大学院修士課程に進学するために、日本学生支援機構から借りた奨学金でした(第一種奨学金(無利子)を毎月83,000円。2年間で約200万円借入れ)。
    借入れといっても院生の頃は返済の必要がなかったため、Bさん自身に多額の債務を負った意識はありませんでした。
    2年後、大学院を卒業したBさんは、正社員として働き始めました。半年後の秋からは、毎月12,000 円の奨学金返済が始まることもわかっていました。ところが、入社直後から人間関係がうまくいかず、すっかり体調を崩してしまったBさんは、わずか数か月で勤務先を退職することになりました。その後も体調は安定せず、奨学金の返済だけでなく生活費まで、郷里に一人で暮らしている母親に助けてもらうことが続きました。
    最近、やっとアルバイトを始めたものの、身体はきつく、この先、10 年以上も続く奨学金の返済を滞ることなく続けていけるのだろうかと不安が募ります。もちろんこれ以上は、生活に余裕がない母親にも心配もかけられず、相談にみえられました。
    自分の将来を考えて大学院まで進学したBさんでしたが、「なぜこんなことになってしまったのか・・・」。今は生きる希望さえみえないと呟きます。
  • 事例3 『 勤務先の倒産 』
    〜突然の失業。やがてうつ病に…〜

    年齢 : 40代男性
    職業 : 無職
    収入 : なし
    住居 : 持ち家(住宅ローン)
    世帯 : 妻(30代)
    長男(未就園児)
    3人暮らし
    負債 : 約230万円(2社)
    Cさんは、社会に出て以来、堅実に働いていました。ところが、勤め先の業績悪化が続き、Cさんが40歳になった年、会社が倒産してしまいました。
    すぐに、再就職先を求めて、何十社もの会社に履歴書の送付、面接を重ねたものの、届くのは「不採用」通知ばかりでした。この頃、妻は出産したばかりで働いていなかったため、毎月の住宅ローン(10万円/月 賞与時25万円×2回)や生活費は、Cさんの蓄えを切り崩しながら暮らしていました。
    「こんなことになるなら、マンションなんて買わなければよかった・・・」と、後悔と不安で眠れない夜が続いたと言います。
    ある日、Cさんの異変に気が付いた妻の勧めで、メンタルクリニックを受診したところ、医師から、「重度のうつ病」であり、今の状態では就労は無理だと言われました。それでも、生きていくためには生活費が必要です。この頃、蓄えも底をついた状態だったため、悩んだCさんは、働いていた頃に作っていた銀行のカードローンより借入れて生活費を補うようになりました。 C さんのうつ病は、その後2年間、良くなったり悪くなったりを繰り返していましたが、やっと、医師から就労許可が出て、友人からも「一緒に働こう」と声をかけてもらいました。
    しかし、この時すでに、Cさんの住宅ローンに加え、銀行のカードローンは200万円を超えていました。
    仮に今、マンションを売却してもローンが残ってしまい、引っ越し費用さえ捻出できません。やっと明るい兆しが見え始めたからこそ、この窮地を何としても乗り越えたいと相談にみえられました。
  • ショッピングリボ

    二風谷悠人 作

  • 隠れ貧困

    二風谷悠人 作

  • 下流老人

    二風谷悠人 作

  • 失 業

    二風谷悠人 作

  • 親の介護

    二風谷悠人 作

  • 奨学金返済

    二風谷悠人 作